世代、立場、経験、価値観の違いを越えた出会い、対話の場としての「まちの縁側」 内と外の混じりあう場所としての「まちの縁側」 そんな全国のまちの縁側と思われる場所の発見と分析を行い、「まちの縁側」づくり支援・促進のための研究を行った。
「場所の力」と「人間力」との相互作用によって生まれる「まちの縁側」の必要性と可能性を考察・構想し、多世代が共に住まい、生きる地域コミュニティを再生する新しい方法の有効性を検証することを研究の目的としている。
研究対象は、研究会メンバーが、これも「まちの縁側」といえるのでは?と思うところの事例を全国各地から持ち寄り、その空間が「場所の力」を得るようになった動機、そのことに関わった主体の発想・取組みの一連の過程にみられる「人間力」の把握、利用者層の活用状況とそこにみられる「まちの縁側」効果を発見・評価する。
平成15年夏に開かれた研究会では、愛知県内の「まちの縁側」の見学会を行い、長久手にある「ぼちぼち長屋」、「ゴジカラ村」などを訪れた。その際の成果として明かになったことは、「まちの縁側」は共約性(入れ替え可能)と異質性(入れ替え不可能性)の出会う場であるということであった。
前者は、空間の安全・快適や人との出会い・交流など標準的なものである。後者については「まちの縁側」といえる必要条件であり、これには、
1 空間(場所)の履歴の再評価と価値の増殖
2 人間(あるじ)の私発協働と相互触発
3 運営(マネジメント)の柔軟性・多様性・開かれた偶然性
4 活動(ふるまい)・交流・表現・魂の交換・尊敬
という4要素があることが確認できた。
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