概要
名称  大曽根中学校まち学習支援
期間 
場所 
内容  中学校の総合学習において、子どもたちが自らのまちを探険し、問題点や宝物を発見し、子どもの視点からその問題点解決へと導き、表現することを目的とする。

 学校(=子ども)と地域とのかかわりを深めるため、中学校の総合学習において、子どもたちが自らのまちを探険し、まちが抱える問題点や宝物を発見し、子どもの視点からその問題点解決への創造的提案を地域へと赴き、地域の住民とともに発表・議論した。その問題点解決に対して、紙芝居づくりという過程を踏むことで道すじ(物語)づくり、絵による表現、発表という表現学習を子どもたちは体験した。

 大曽根中学校では、主体的にまちづくりに参画しようとする生徒の育成を目指して中学校生活3年間を通した総合的な学習の活動として「大曽根のまちづくり学習」を組み立てている。
 まちを舞台に生徒はいろいろな人とかかわり、身近で現実的な課題に取り組む中で、段階的に「自分に対する自信」と「まちづくりの主体者としての自覚」が高まり「主体的にまちづくりに参画しようとする生徒」が育成されることを狙いとした学習活動である。具体的なテーマとしては、矢田川の未来を考える、災害時のお役立ち情報「防災マップ」、育くみ隊の担当した紙芝居「こんな公園あったらいいナ」の3つである。生徒は各テーマを担当する先生とNPOや市民団体とまちに出て地域の人と関わりながら総合的な学習を進めていった。

 1回目:「こんな広場があるといいナ」幻燈会を行い、その後、まち探険。幻燈を見て生徒は、昔と比べての遊ぶ場所の変化、自然との関わり、自由に遊べる場としての公園に着目していた。まち探険では、ゴミの多さや公園の人気のなさの問題点を発見し、地域の人との対話からは「この地域の子どもも大人もそれぞれ公園に対する強い意見を持っている」「公園を危ないと思っている人が多い」「まちのことを深く考えていない人が多い」などの感想があった。

 2回目:「こんな広場があるといいナ」ビジュアル表現の例として、「風穴一座」による紙芝居を実演した。「風穴一座」は、心のバリアフリーをテーマにした紙芝居活動をしている。紙芝居を見た生徒の感想は「ビックリ!」「障害があっても、それは個性みたいなもの」「わかりやすかった」「話を進めるだけでなく伝えたいことが話の中に盛り込まれていてスゴイ」「おもしろそう、やる気がでた」「難しそう」などであった。

大曽根中学校総合学習の時間に「おためし紙芝居実演」を「風穴一座」の大久保康雄さんとベティさん(五十嵐真澄さん) 加えて、キヨちゃんと延藤先生で行いました。「こんな広場がいいナ」の紙芝居制作をすることに、中学生たちは大きなハズミを与えられました。

 3、4回目:物語・紙芝居づくり。それぞれの班のタイトルが決定。初めは、「仲良し公園」などよくある真面目なタイトル案が出されていたが、生徒同士、先生、NPOメンバーからの様々な意見に触発され、楽しみながら進めるうちにどの班もストーリーが公園とはなかなか結びつかないほどユニークなタイトルとなった。物語の内容については、それぞれの班に違った視点があり、例えば、ゴミ問題、いじめ、行政と市民の関係、近所からの苦情など身近にある様々な問題を取り入れながら話が展開していった。

みんなでアイデアを出して紙芝居作成
こんな紙芝居が完成したよ

 5回目:商店街の秋祭りでの発表。「見て下さい。聞いて下さい。ぼくたちの提言−大曽根のまちにできること」として学習の成果・提案の発表を行った。当日は様々な年代の方が発表を聞いて下さった。全体的な評価としては「絵が上手」「熱心に取り組んでいた」「もう少し工夫が必要」など。内容に関しては「ストーリーの展開がおもしろかった」「紙芝居中の話のように市長と住民が連携できたらいいですネ」などの意見があった。

商店街の秋祭りでの発表

 今回の学習を通して最終的に3回の中学生による発表・提案の場がもてた。当初のプログラムでは商店街での発表だけであったが、当日は中学生と住民との直接の対話の場が持てなかったことから、この紙芝居提案・成果を地域住民のところで発表し交流しようと中学校側に提案した。先生方の前向きな対応と呼びかけによってコミュニティセンターでの発表・交流が実現した。当日は、30数人の子ども・大人が集まり、ここでの対話は、中学生には自信へとつながり、地域住民には、やりとりの中から思いがけない新しい方向感をひらく、共有するといった取り組み方への気付きがおこったことは大きな成果であった。

プロジェクト
東区文化のみち創造
ENGAWA design
公共施設活用支援
子どもまち学習支援
大曽根中学校まち学習支援
まち育て支援
まちの縁側学習・交流
調査研究・提言
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