ENGAWA NEWS 2006.2
   「地域共生のいえづくり」講演会のお知らせ
日  程:2006年2月10日(金) 13:30−16:30
場  所:名古屋栄ビルディング12階 特別会議室
タイトル:「地域共生のいえづくりの意義と必要性」
       −民間資源を活用した高齢者や子どもの居場所づくりの新しい形を探る
「地域共生のいえづくり」とは・・・

私たち一般の個人がもっている土地や建物を地域に開放し、地域に役立つ「住まい」や「場」をつくる取り組みのことである。例えば、住宅の余った部屋を使って誰でも気軽に立ち寄れるたまり場(コミュニティスペース)にしたり・・・地域の子どもの居場所など、まちとともに生きていこうというものです。

そこで、前半は、すでに「共生のいえづくり」を始めている世田谷まちづくりセンターの所長、浅海義治氏をお招きして基調講演を予定しています。また、愛知産業大学大学院教授の延藤安弘氏による「まちの縁側のあるいえづくり幻燈会」も開催します。

後半は、建築・まちづくりのコンサルティングを行っている加藤武志氏(名古屋在住)と、世田谷区にある「地域貢献型建物」COS下北沢のオーナーである河津恵子氏(名古屋在住)にも輪に加わっていただき、パネルディスカッションを開催します。ぜひご参加ください。

写真:浜田のまちの縁側

※COS下北沢とは、NPOコスファが運営する「地域貢献型建物」のこと。1つの建物に一時保育、レンタルギャラリー、カフェ&バー、まちづくり活動グループ、パソコン・英会話・カルチャー教室、おかずの配達グループの6つのグループがそれぞれが独自の事業を進めるだけではなく、協働することで相互に発展し、地域に必要な機能を果たすことを目指して活動している。

※申し込みの必要はありません。また料金は無料です。ぜひご参加ください。
1グループの参加者が10名をこえる場合は、社団法人 地域問題研究所(TEL : 052-232-0022)【担当:加藤】までお申し込みください。
   まちの縁側MOMOよりお知らせ
おしゃべり幸房
『ミニ着物づくり』 講師・山内幸子さん 2月14日(火)、28日(火)13:00〜15:00
『パッチワーク』   講師・上原洋子さん 2月9日(木)、23日(木)13:30〜15:30
『筆をつかってはじめの一歩』 講師・大久保さん 2月22日(水) 13:30〜15:30
場所:まちの縁側MOMO  会費:1,000円(お茶付き)
※申し込みは052-936-1717まちの縁側MOMO、担当:土屋まで。
   まちの縁側育くみ隊よりお知らせ
康生地区拠点整備設計・運営等市民検討ワークショップ第12回行います。
日時:2月19日(日) 13:30−16:30
タイトル:「施設運営への市民提案をまとめる」
会場:コミュニティサテライトオフィス(康生通、松坂屋6階)
※参加費無料。直接会場にお越しください。駐車場は、保健所南側駐車場をご利用いただけます。
申込み・お問合せ:岡崎市役所都市整備部康生地区拠点整備室
電話  0564-23-6604  E-mail   koseiseibi@city.okazaki.aichi.jp
今年も縁側フォーラム2006開催します!!
昨年、一昨年と縁側の思いをもつ方々の交流の場として行なってきたまちの縁側フォーラムを今年もまちの縁側育くみ隊はやります。
今年の日程は2006年4月2日(日)に決定です!
今まで寒い季節(2月)にファンヒーターとストーブを駆使して行なってきましたが、寒さに屈して・・・今年は桜の舞うこの季節に行ないます。
「縁側フォーラム」をご期待ください。
場所・プログラムなど詳しい情報は次号にてお伝えします。
   今月のエンガワ放談
まちの縁側育くみ隊代表理事の延藤が毎月思いをちょっとだけ文章にしてお伝えするコーナー・・・題して『縁側放談』が今月より連載されることになりました!今月号は気合の入れ方が違います!長いです・・・。是非最後まで読んでください。
「まちの縁側」の音ずれ
     −世界と地域の再生をめざして
気が遠くなるような異常で忌わしい出来事が後をたたない世界
ITの発達によって世界中の人々とのコミュニケーションが増していく世界
グローバルな市民・世界市民が増えていく21世紀
この時代のまち育てとはトラブルをエネルギーにかえる志をもちつつ
世界を再生させ世界と結び合う意思を見据えつつ
地域の住民の居場所づくりの多様なとりくみを立ちあげていくことにある。

地域には「孤独がわたしのしごと」と思っているお年寄りがいる
地域には「他者とかかわらない」ことを強いられる子供たちがいる
人が人間らしく生きるとは
自己と他者の間にそこはかとない相互浸透関係が育まれること
私と世界の間に無限の相互敬愛関係が育くまれていくこと
うごめき食いつぶしあう過酷な関係もあるが
きもちの交換にひたされた情感にみちた関係に身をおくことのできる
居場所づくりが地域では待たれている
多世代が結びあう開かれた家族のような関係が育まれる居場所
power−in−communing
人と人の出会いによる共感のひろがりのうちに生きる力を育くみあう
そのような居場所を「まちの縁側」と呼ぼう。

かつてどの地域にも縁側があった
そこではおのずから人と人は出会い
人と風と光と土と緑と鳥は溶けあい
生きる希望がおだやかに広がっていった
今日わけあって縁側は姿を消してしまったが
危機を創造に変える発想を大切にしつつ
ひらめのエンガワのようにおいしい居場所を
楽しみながら共に生みだし育んでゆきたい。

新しい白っぽいツルツルとした固い建物には生活感がない
木や土の壁の古い建物や桐の箪笥には時間が蓄えられた生活感がある
生活感のない空間にいると人々はそこにいるのにいないような気になる
生活感のある居場所には価値の遠近法がはたらくので
生きる上で大切にしたい何かにふれられる存在感をえる
自分が発芽し他者とのかかわりの中で
自と他の境域が多様にゆるやかに育まれていく時
自ら属する場所や地域への帰属性へのこだわりを強めていく。

世界市民は非場所的な間接的コミュニケーションを増やしていくが
地域住民は場所的な直接的なコミュニケーションを増やしていく
友愛にみちたコミュニケーションのある地域の再生を目指す
「まちの縁側のあるいえづくり」のためには
地域の住民が自らの土地や建物を活用する方策への踏み込みがいる
打ち捨てられている空店舗・空家・空蔵や
子どもの巣立った後の余裕空間等の地域資源を活用したり
自宅建替や新築の際に地域に開かれたサロンの併設など
「まちの縁側のあるいえづくり」の多様なニーズの発掘と手法の検討がいる
すでに世田谷まちづくりセンターは「地域共生のいえづくり事業」として
その事業スキームを住民に提示し
まちの縁側的居場所づくりのシーズ(種子)をまいた
志のある地権者・行政・NPOの出会いという志縁は
多様な「地域共生のいえづくり事業」の成立を約束しつつある。

「まちの縁側のあるいえづくり」も「地域共生のいえづくり」も
住民が発意・設立し、住民・NPO等によって運営されていく「民設民営」
従来の公設公営の公共施設のもつ均質な画一的なサービスをこえて
それは地域の状況に応じた多種多様で柔らかいサービスを実現する
民設民営の新しい公共施設である。

まちの縁側の音ずれには新しい時代への呼びかけがある。

世界と地域の再生実現のための
新しい社会がもつ未来の制度的構造は
地域と人間のうちにひそむ最上の潜在性を解き放つ
住民と行政とNPOの間のコミュニケーションの促進と
各主体の持味をブレンドすることで互いの力が増殖する
コラボレーション・協働による互いに養い合う地域市民社会づくりにある。

名古屋と世田谷からの発信、まちの縁側の音ずれに耳をすましあおう
同時代の創造的まち育てへの新しい一歩がはじまろうとしている。

2006年1月
         延藤 安弘
         NPO法人まちの縁側育くみ隊 代表理事
         愛知産業大学大学院教授

注:本稿は、世田谷まちづくりセンターのメルマガ「まちづくりWEBマガジン」(vol.2006.01.20)の「地球規模でつながるまちづくり人リレーコラム」に求められた原稿を活用しています。
編集後記
昨年度から新年にかけて事務局は窓拭きに始まり棚の移動と大掃除をしました。歩幅でいうと横幅6歩、奥行9歩程度の小さな部屋をいかに広く使うかが最大の焦点であり、机を1つ廃棄することで棚を増やし、収納性が増したことによって解決したのでありました。(事務局・古池)
発行:NPO法人まちの縁側育くみ隊
連絡先:〒461-0002
  愛知県名古屋市東区代官町1-5
  まちの縁側MOMO内
  TEL / FAX:052-936-1717
  E-mail / info@engawa.ne.jp

© 2005 NPO法人まちの縁側育くみ隊All rights reserved.